(39)-5韓国の反日政策⑤(危険なジャパン・ディスカウント)

前章に引き続き、読売新聞の「冷え切る日韓」シリーズの№1「反日売り込み官民で」、№2「米国での反日 力増す」、№3「韓国が上 対抗心に拍車」から引用しながら、韓国の官民が公然と国内、海外で日本を「引きずり落とす」戦略を行っている事実を明らかにしたい、と考えます。

「ジャパンディスカウント」とは、韓国民に自尊心を植えつける目的で、対日批判を続行すること、海外では、特に米国内の日本および日本人の評価を引き下げる目的で、韓国系のコミュ二ティーが行う反日活動を公然と支援していることを言います。いわゆる慰安婦問題がこれに利用されていますが、いずれも韓国政府が意思を持って推進しているあからさまな「ゆすり、たかりの反日政策」です。自尊心のある国家であれば国交断絶も辞さないといった強い外交抗議を行うべき性質のものですが、日本政府はこのような手段はとらず、韓国を刺激しないように穏便な外交関係をとり続けてきました。

戦前の植民地政策や日韓併合の負い目があるのでしょう。しかし、実はこれが韓国政府に間違ったメッセージを送り続けた失策であった、と言わなければなりません。韓国は「日本は何を言っても反論しないし、抗議もしない」と受け取ったのです。韓国の言い分は常に正しく、日本は反省が足りない、という逆効果を生じさせてしまったのです。韓国が執拗で非常識な対日批判に陥った要因の一つに歴代の日本政府の外交問題解決能力の決定的な欠陥があると考えます。

韓国は、日本が植民地支配の歴史を歪曲し、事実関係を捻じ曲げていると批判していますが、日本の排斥運動を展開する韓国系コミュ二ティーのカルフォルニア韓米フォーラムは、市議会に働き掛け、7月30日、従軍慰安婦を象徴する少女像をカルフォルニア・グレンデール市の公園に設置しました。これは、2011年にソウルの日本大使館前に設置した像とほぼ同じものです。多数の日系住民が市の公聴会に出席し「慰安婦が日本政府によって強制的に駆り出されたというのは作り話だ」と反対しましたが、韓国系住民は「韓国人女性が性奴隷にされた事実は隠せないと主張、このとき、河野談話を引用して「日本政府自身が性奴隷の管理・運用への関与を認めている」と指摘しています。少女像は市議5人のうち4人の賛成で設置が認められました。

先月訪米した韓国国会議員団は、米駐在の韓国外交官を集めた場で「慰安婦問題は国際社会で解決しなければならない」と述べ、米国で韓国の理解者を増やすようにハッパをかけています。

韓国は、米国をジャパン・ディスカウントの主戦場と位置付けています。米国の評価を変えることを重視して、韓国は米国のいたるところで官民一体となって日本評価を引きずりおろすことを目的とする「ジャパン・ディスカウント」をあからさまに実行しています。反日活動を主導している韓国系のモミュ二ティーは強い結束力を持っています。米国の世論に影響を及ぼすほどの政治力を付け始めています。

「日本をアジアで『のけ者』にする」と公言する韓国の民間団体があります。1999年に発足した「VANK」(Voluntary  Agency Network of Korea)です。日本海を「東海(トンヘ)」と呼び、竹島(韓国名:「独島(トクト)」)は韓国領だとする主張が「正しい知識」であるとして世界中に発信しています。「南京事件」や「バターン死の行進」など旧日本陸軍の行為を動画にまとめてインターネット上に流し始めています。動画は英語で作り「極悪非道な日本」のイメージを広め反日感情のダメージをあおる狙いですが、「VANK」が養成しているのが「サイバー外交官」と呼ぶボランティアです。海外の友人に「正しい知識」を広めること、韓国を誤解している相手に抗議書簡を送る、などという12段階のプログラムを達成した人が任命されています。

「VANK」の朴団長は、読売新聞の取材に対し「帝国主義復活を推進する日本の政治家と右翼に対抗するために戦っている。被害アジアの平和を願っている日本の青年とは積極的に友情を分かち合いたい」と語っています。しかし、日韓関係に詳しい木村幹・神戸大教授(「朝鮮半島地域研究)は、「VANKはナショナリズムをてんかいしているつもりはないかもしれないが、韓国政府は彼らをうまく取り込み、ジャパン・ディスカウントの道具として使っている」と指摘しています。

韓国政府は多様な分野で、本気で日本の国際的な信用を引きずり落とす反日政策を実施しています。韓国女性家族省は、2014年1月にフランスで開かれる国際漫画フェスティバルに、いわゆる従軍慰安婦問題をテーマにした作品を50点も出展する準備を進めていますが、これを英語、フランス語、日本語に翻訳して世界各国に配布する計画だと言っています。

韓国の反日は国是といってよい。大韓民国憲法はその前文で「三・一運動(抗日独立運動)によって建立された大韓民国臨時政府の法的伝統」の継承をうたっています。1919年(大正8年)3月1日に起きた独立運動をきっけとして、中国・上海に大韓民国臨時政府が置かれたことから、韓国の祝日になっています。実は韓国が日本から独立できたのは三・一運動の力(その実体は無力な運動で直接に独立を勝ち取る力はない)ではなく、日本が太平洋戦争で米国負けた結果、日本が侵略したとされた領土の原状回復が行われたことで、韓国の独立が可能になったのです。韓国が教科書で自国の力で独立を勝ち取ったと刷り込んでいることは捏造です。

韓国の反日政策は、反日の伝統に加え、最近の韓国の経済状況の好転が日本への対抗心に火をつけたと考えられます。韓国の対日貿易依存度とGDPの格差が縮小して、一方的な日本優位な構造から、韓国が日本を競争相手と考え始める水平的な関係に変わって来たことがあげられます。

韓国文化財庁は昨年7月、ソウルの日本大使館の建て替え申請を却下しました。日本大使館は朝鮮王朝時代の史跡「景福宮」の近くにあり、高層化すると「歴史、文化的環境の破壊が憂慮される」という理由であったが、すでに大使館周辺は高層ビルが林立していたところから、日本政府関係者は「反日意識が根底にある」とみています。

申珏秀(シンガクス)中日韓国大使(当時)は5月15日、東京都内の講演で日韓関係を次のように語りました。韓国にとって、日本は経済的に追いつく対象ではなく、競争相手になった。競走相手ならば、日本の国力をそぐ「ジャパン・ディスカウント」や激しい反日は(韓国の)国益にかなう行動となる。

日本に対する敵対感情は、文化面にも及んでいます。韓国内では、剣道や柔道、すしなどは実は朝鮮半島に由来するという「韓国起源説」が真面目に主張されています。韓国には「我々の」を意味する「ウリ」と英語の「オリジナル」をもじって「ウリジナル運動」と言われるファビョン民族特有の病的な傾向性が出ています。笑うしかない滑稽な運動ですが、韓国人は本当に韓国人は世界一優秀な民族であると主張しています。韓国の異常な国家教育の成果が出ていると考えられます。

奥薗秀樹・静岡県立大准教授(韓国政治・外交)は、最近の韓国の反日感情を「韓日を超え、にほんなんて大したことはない、韓国の方が上だという『卑日』意識さえ芽生え始めている」、と解説しています。

韓国で「親日派」という言葉は売国奴の響きを持つ言葉であり、侮蔑的な意味で使われています。日本政府筋は、最近の韓国の反日感情は「度を越している」と見ていますが、韓国の国民病が激しく噴火した結果を招いたのは、日本政府が韓国の異常な主張に是是非非で毅然とした対応をしてこなかったことに大きな責任があると考えます。

韓国の主張は、世界の一定の知名度がある日本を目下に置くことで、日本の上位に韓国を位置づけ、日本の上位にある韓国はもっと世界的な評価を受けるべきだという三段論法を狙っていると考えられます。もしそうであれば、韓国(朝鮮民族)は病気です。韓国は客観的な自国評価ができない国家だと評価され、逆効果しか生まないと考えます。日本政府は韓国(中国も同様)に対し、間違ったメッセージを送ったと非難されるような「おもいやり外交」を改め、毅然とした外交姿勢を取るべきだと考えます。特に、韓国や中国に対する「おもいやり外交」は全く評価を受けないだけではなく、逆に相手に更なる要求ポイントを与える結果しか生んできませんでした。外交は相手の民族特性を考えて行うべきだと考えます。

日本政府は現在のところ、「ジャパン・ディスカウント」に表立った対抗策を打ち出していない。「韓国がやり過ぎれば世界の不信を買う」(在韓国日本大使館筋)と見ているためだ(読売新聞)。しかし、果たしてこのような日本の外交姿勢を評価する日本国民はどれくらいいるのだろうか。アンケート調査を実施していただきたいものです。韓国の外交姿勢は韓国民の極端な国民感情の反日に縛られ、日本外交は、無能な外交官が国益を害する独りよがりの無策外交をしているように思えます。皆さんはどのような評価をお持ちでしょうか。

歴史を見る限り、日本の外交能力の資質は決して高いものではありません。外交下手は民族的な欠陥ではないかとの疑いさえありますが、特に、敗戦後の外交は非力で国民の信頼も低く、他国の歴史介入(竹島、尖閣諸島などの領土問題、慰安婦問題、靖国参拝問題など)を受けて、歴史問題がクローズアップされ続けています。しかし、第二次安倍内閣の誕生によって国内状況も海外状況も一変しつつあります。独立国・日本のあるべき姿が徐々に回復される期待感が出てきました。この内閣が安定して国力の回復を実現して、国際貢献ができる日本の立場を広くアピールしていただきたいという観点からエールを送りたい気持ちです。

しかし、忍耐を続けて政治の安全運転を心掛けて実績を上げてきた安倍首相は、就任から1年目にあたる12月26日、自身が懸案にしていた靖国神社への昂ぶる気持ちを抑えがたく、内閣総理大臣の立場で参拝に踏み切りました。案の定、中韓は靖国参拝の非難を繰り返しました。安倍首相は、当然にこのような外交問題の再燃を織り込み済みであったろうと想定できますが、どのような外交解決を図る覚悟を決めたのでしょうか。中韓の不当な主張をどのように迎え撃つ対応策をシュミレーションしてきたのでしょうか。具体策を国民に示すべきです。

いま求められているのは、国益を損なう恐れのある首相の政治信念よりも国益を優先させる忍耐力と外交努力だと考えられます。無能な首相が何代も続いて国民をがっかりさせてきた政治不信の中から、やっとまともな首相が出てきたと期待される安倍首相には、そのような忍耐力を持って国の舵取りをしていただきたいのです。これについて、12月27日付の読売新聞の「編集手帳」欄に次のような適切なコメントが掲載されましたので紹介します。

一方通行の道を、向こうから逆走してくる車がある。正しいのはこちらだからといって、走り続ける人はいない。ブレーキを踏み、止まる◆<正>と<止>は横棒一本の違いである。自分が正しくても横棒は胸にしまい、事故を避けて止まらなければならない。靖国神社に“電撃参拝”した安倍首相の安全意識は、はなはだ怪しい。◆国のために命を捧げた人たちに尊崇の念を示すことも、追悼に他国の干渉を受けないという信念も、「不戦の誓い」の一言一句も、どれも正しい。一方通行を逆走するがごとき中国や韓国の過剰な反発が間違っている◆それはその通りだが、車の運転も、政治も、つまるところは結果である。在日米国大使館は「近隣諸国との緊張を悪化させるような行動をとったことに米国政府は失望している」との声明を発表した。普天間問題がようやく動きだそうというその時に、無二の親友である米国の期待を裏切る。<正>に酔って<止>を忘れた手痛い誤算だろう。◆横棒一本の有る無しで意味が変わる漢字の組み合わせは、ほかにもある。首相の誤算が国益の<幸>を<辛>にかえなければいい。

日本政府がどんなに努力を重ねて懇切丁寧に説明しても靖国問題で中韓の譲歩を引き出すことは不可能です。同じ問題を毎年繰り返す無能な政治家が、何度も失敗を重ねながら、これまでいつも一方的に後手に回って非難され続けた失態は、無能な日本外交の責任問題です。このままの日本人の感覚で靖国問題を解決できる見込みは100%ありません。この問題でいつも日本を敵視してきた中韓が理解を示すことは有利な外交カードを手放すことであり、考えられません。外交問題としての靖国問題を解決できるのは、国際関係を正常化させる義務を負う政府の政治的な決断しかありません。もともと問題視されてきた靖国神社という複雑な存在でありながら、更に、A級戦犯の合祀という混迷を招いた段階で問題解決の糸口を喪失してしまったのです。追悼施設の根本的な在り方については、政府・与党だけでなく国民的な判定を受ける必要があると考えられます。

頭記の読売新聞には下記の用語の解説がありますので、転載いたします。

「従軍慰安婦」 戦時中に「慰安所」と呼ばれる施設で対価を得て旧日本軍将兵の相手をした女性。慰安所の多くは民間業者が経営していた。韓国は強制連行された女性が「性奴隷」になったと主張しているが、日本政府は「公的資料の中には、強制連行を直接示す記述はない」と否定している。(1997年3月18日の内閣外政審議室長の国会答弁)

「河野談話」 宮沢内閣の河野洋平官房長官が1993年に発表した、いわゆる従軍慰安婦問題に関する談話。「おわびと反省」を表明し、「慰安所の設置、管理および慰安婦の移送」に「旧日本軍が直接あるいは間接」に関与したと認めた。慰安婦の募集については「官憲等が直接これに加担したことがあったことがあきらかになった」と記し、日本政府による強制連行を認めたと誤解される結果を招いた。談話は元慰安婦の証言をもとにまとめられ、十分な売らず化話されなかった。

「南京事件」 1937年、中国・南京で旧日本軍が多数の中国人を殺害したとされる事件。中国は犠牲者を「30万人以上」と主張しているが、根拠は不明だ。4万人前後とみる日本の歴史学者もいる。日本政府は「正しい数を認定することは困難」としている。

「バターン死の行進」 1942年4月、旧日本軍がフィリピン・ルソン島バターン半島で米軍とフィリピン人の捕虜を炎天下に歩かせ、多数の死者を出した事件。戦後、現地の陸軍第14軍司令官だった本間雅晴中将が責任を問われ、BC級戦犯裁判で死刑判決を受けた。

12月26付夕刊「靖国神社」 第二次世界大戦の戦没者など国家のために命をささげた人を祭神とする。1869年、戊辰戦争の官軍戦没者を祭る東京招魂社として建立され、1879年に靖国神社と改称された。戦前は陸・海軍が所管したが、戦後、宗教法人に改組された。1978年には、極東国際軍事裁判でA級戦犯とされた東条英樹・元首相ら14人が合祀された。